広報紙2022年11月号 特集2 冬の防災対策 

特集2 冬の防災対策

冬に向けて、いまできる災害への備えを!

災害時の被害を最小限にするには、日頃の備えが肝心です。
いまこそ、冬の防災対策を始めましょう。

 数百年に一度のサイクルで発生している日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震は、発生が切迫しているとされているため、内閣府は2021年12月、最大級の地震・津波による具体的な被害や規模を推計し、防災対策を検討するための被害想定を公表しました。

 国の想定を受け、道では、太平洋沿岸の38市町を対象とした、より詳細な検討を行い、ことし7月にその被害想定を公表しました。

 この中では、冬の夕方に巨大地震が発生した場合、死者数は最大で約14万9千人に上ると推計しています。しかし、早期に避難することや、指定された津波避難ビルを活用するなどの対策を講じれば、死者数を大きく減らすことができることも示しています。

 こうした巨大地震から命を守るためには、被害想定地域に住む道民の皆さん一人一人の防災対策が必要不可欠です。

 災害はいつ、どこで起こるかわかりません。いざというとき、速やかに避難できる備えはできていますか。冬を迎える前に、いまからできる備えをお願いします。

画像 断層モデル

最大クラスの地震・津波を発生させる断層モデル

非常時の備えチェックリスト

 災害が起きると、一刻も早く避難が必要になることがあります。チェックリストを見ながら、非常時の備えをしておきましょう。

冬季は防寒対策を忘れずに

画像 非常持出品イラスト

●非常時に家から持ち出すもの(非常持出品)

□予備の電池、携帯充電器      □緊急連絡先をまとめたノート

□携帯ラジオ                        □防寒着・毛布・カイロ

□ヘルメット・防災ずきん      □タオル・衣類

□マスク・軍手                     □貴重品、常用薬

□ホイッスル

●外出先での被災に備えて持ち歩くもの(常時携行品)

□懐中電灯                         □ホイッスル

□携帯ラジオ                      □避難用マップ

●運転中の被災に備えて車に積んでおくもの(車載常備品)

□防寒着・毛布・カイロ         □十分な燃料

□雨具・長靴                        □ブースターケーブル

□手袋                                 □スノーヘルパー

□飲料水                              □スノーブラシ

□スコップ                           □簡易トイレ

□けん引用ロープ

寒さ対策を第一に 冬の防災対策をしっかりと。

日本赤十字北海道看護大学 教授

災害対策教育センター長

根本 昌宏(ねもと まさひろ)さん

写真 日本赤十字北海道看護大学 ねもとまさひろ さん

●厳冬期の避難行動

 真冬の屋外に出ても問題のない防寒着セットと必要な避難リュックを玄関先に置いておくといいと思います。

 冬場は、夏とは道路状況が違い、路面凍結や吹雪の中、どう避難するかを考えておくことが大切です。そのために、まず、避難場所を確認しておき、そこまでの避難経路や避難通路を把握しておきましょう。

●冬に必要な備え

 冬季は気温がマイナスになるので、避難所などへ避難をする場合は、防寒着を含めて最低1泊分の冬装備が必要です。また、安全を確保した上で自宅に残る場合でも、被災直後は停電する可能性が高いので、電池式暖房器具やカセットコンロなどの備えがあると安心です。

●トイレ対策

 さらに、断水中に重宝するのが「携帯トイレ」(写真参照)。自宅のトイレが使えない場合にも、ビニール袋を使って簡単にできる方法です。「携帯トイレ」は、便器にビニール袋を1枚かぶせ、その上に便座を下ろしてビニール袋をもう1枚かぶせる方法です。用を足したら凝固剤を入れ、上の袋だけ捨てます。

写真 携帯トイレ

(写真)写真は根本氏提供

【問い合わせ先】道庁危機対策課 電話011-204-5007

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