広報誌ほっかいどう 2024年11月号
【もくじ】
1 特集 日本の食料供給を支える北海道
2 地域おこし協力隊CAFÉ
3 高校生のマナビバ
4 ピックアップ 地域情報
5 道からのお知らせ
6 道議会レポート
1 特集 日本の食料供給を支える北海道
北海道は、小麦や牛乳、ホタテやサケなど、多くの農畜産物や水産物で全国一の生産量となっており、日本最大の食料供給地域としての役割を担っています。
●北海道が全国1位の主な農畜産物や水産物
(全国に占める北海道の農畜産物や水産物の生産量シェア(令和5年度))
・小麦 65.5%
・小豆 94.2%
・じゃがいも 82.5%
・たまねぎ 64.0%
・生乳(※乳牛から搾ったままの乳のこと) 57.0%
・たら類 88.0%
・さけ類(※養殖を除く) 99.2%
・ほっけ 98.7%
・ほたてがい(※養殖を除く) 99.9%
・こんぶ(※養殖を除く) 94.5%
※農林水産省のウェブサイトで公表されている統計データを用いて作成
⚫日本を代表する米どころ北海道
北海道米は、全国トップクラスの作付面積と収量を誇り、さまざまな品種で安定した収量の確保と多様なニーズに応えています。
食味ランキングでは「ゆめぴりか」「ななつぼし」が10年以上連続で特Aを獲得し、全国的な評価を受けているほか、北海道米の道内食率(道内の米消費量に占める北海道米の割合)は、目標とする85%を12年連続で上回っています。
道では、北海道米の消費拡大のため、農業関係団体・道内量販店などと連携し、「北海道米プロモーション」を実施しています。
道では、品種改良による生産性の向上や先端技術の導入による省力化に取り組むとともに、道産品の高付加価値化やブランド力の強化、リスク分散に対応した輸出拡大の推進、販路拡大などに取り組んでいます。
○新品種の開発
よりおいしく高品質な農産物をつくるためには、品種改良が重要です。なかでもお米は、冷涼な気候下で育つおいしい品種を目指し、道内各地の農業試験場が品種改良の努力を重ね、「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などの北海道を代表する品種が誕生しました。一億粒ものお米から、たった一粒の優れたお米を見つけ出す品種改良の仕事は、これまでの技術に加え、改良を加速化させるための新たな技術を活用しながら、消費者ニーズと農業の課題に応える新品種を生み出しています。
新たにデビューする北海道米新品種 そらきらり
ことし、市販のお弁当などの「中食(なかしょく)」や、飲食店などでの「外食」向けのおいしいお米「そらきらり」がデビューします。「そらきらり」という名前は、この品種の誕生の地である北海道の米どころ空知地方の「そら」と、お米の粒が「きらり」と光って見えることをかけあわせて名づけられました。
⚫主な特徴
・中食・外食に適しています
きらら397と同じく中食・外食向け用途に適した食味特性を持っています。
・病気に強くSDGsの達成に貢献
稲の代表的な病気「いもち病」に対して抵抗性が強く、薬剤の使用回数を減らせるため、環境負荷を軽減できます。
・安定して優れた収量性
北海道のどの地域でも安定した収量が見込めます。
⚫北海道米の主な品種
・ゆめぴりか
特に粘りの強い品種の一つです。白いごはんそのものを味わうのがおすすめです。
・ななつぼし
北海道米のなかで最も生産量が多い品種です。味と食感のバランスが良く冷めてもおいしいため、お弁当やお寿司などにおすすめです。
○酪農王国北海道
北海道は全国の生乳の約6割を生産しており、酪農は重要な基幹産業の一つです。また、北海道は、日持ちのしない生乳や牛乳、貯蔵できるバター、チーズなどの乳製品を需要と供給の状況に応じて調整しながら、全国に安定的に供給する重要な役割を担っています。
●スマート農業技術の取り組み
北海道では、スマート農業技術を活用した酪農の省力化が進んでいます。道では、搾乳ロボットや餌寄せロボットなどの導入、リモートセンシング技術※による衛星画像を活用して、牧草を省力的に栽培する取り組みなどを推進しています。
※作物の生育状況など必要なデータを人工衛星を用いて収集する技術
●生乳から生まれる豊富な加工品
生乳からは、牛乳をはじめ、私たちの食卓に欠かせないバターやチーズ、ヨーグルトなどさまざまな乳製品が作られています。
●消費拡大の取り組み
道では、北海道牛乳普及協会などと連携して、6月の牛乳月間(父の日に牛乳(ちち)を贈ろう!)でのPR活動や牛乳・乳製品利用料理コンクール、ミルク&ナチュラルチーズフェアなど、牛乳・乳製品の消費拡大に向け取り組んでいます。詳しくは、道や北海道牛乳普及協会のウェブサイトをご覧ください。
○道産水産物の販路拡大
●「食べて応援!北海道」の全国展開
道産水産物の消費拡大キャンペーン「食べて応援!北海道」を昨年秋から全国で展開し、これまでの取り組みの結果、ホタテの国内消費は着実に拡大しています。
●「とれてます!Oh!!さかなフェア」の開催
近年漁獲が増加している、ブリ、マイワシ、ニシンを対象にフェアを開催し、魅力を発信しています。新しい北海道の旬の魚をぜひ味わってください。
● アメリカでホタテをPR
道産ホタテの輸出額が昨年比で約1.5倍になっている米国市場に向けたPRの取り組みとして「Hokkaido Premium Night (JETRO主催)」が、ことし8月、ニューヨーク市内のレストランで行われ、ホタテをはじめとした道産食材をメインとした料理と道産ワインや日本酒とのペアリング、さらに鈴木知事のプレゼンテーションを通じて、現地のシェフやレストラン関係者、流通業者、フードブロガーなどにPRしました。参加者からは、道産食材のおいしさや質の高さへの評価の声をいただきました。
▲道庁成長産業課 TEL.011-204-5464
▲道庁国際課 TEL.011-204-5343
○北海道どさんこプラザ
「北海道どさんこプラザ」は、北海道が開設するアンテナショップで、道内で製造・加工された道産食品を販売するほか、開発した商品を一定期間販売し、販売後にフィードバックを得られるテスト販売制度の実施など、道内企業のマーケティング支援拠点としての役割を担っています。おかげさまで、昨年度の売り上げは全店舗合わせて約37億円と過去最高となり、ことし7月には、第1号店である有楽町店が開設25周年を迎えました。現在、国内外に18店舗を展開しており、今後、帯広市と旭川市への開設を予定しています。
札幌店では、ことし7月からイートインコーナーを設置し、道産ワインとチーズの有料試飲試食、ソフトクリーム販売を開始し、道産食品の魅力を発信しています。
▲道庁食産業振興課 TEL.011-204-5766
2 地域おこし協力隊Café
都会に住む人が課題を抱える市町村に移住し、才能や能力を発揮する地域おこし協力隊。今回は、農業を通じて幅広い活動に取り組む知内町の隊員を紹介します。
○ニラ農園の事業承継を柱に、前職の経験を生かしてさまざまな活動に挑戦!
旭川市出身 小玉龍之介(こだまりゅうのすけ)さん
金融機関で働いていた時に、知内町にある妻の実家のニラ農園が廃業を検討していることを知りました。事業を承継したいと考えていたところ、知内町の地域おこし協力隊では、農業経験を積みながら人脈も作れることを知り、応募しました。現在はニラ農家で栽培技術を学びながら、前職の経験を生かし、札幌圏の企業と町内の農家とのビジネスマッチングを行ったほか、新たなふるさと納税返礼品の開発に取り組むなど、さまざまな活動に挑戦しています。
3 高校生のマナビバ
新たな視点で学びを深める道内の高校生の話題をお届けします。
○地学協働のまちづくり
北海道美瑛高等学校では、総合的な探究の一環として、地域について学びを深める取り組みを行っています。令和6年度には地学協働で持続可能なまちづくりを推進する「MA+CH(マッチ)プロジェクト」の指定校になり、新たな取り組みの検討も進められています。今回は同校がこれまで行ってきた地域との協働活動について紹介します。
北海道美瑛高等学校3年 高石璃乙(たかいしりお)さん、横山雅恋(よこやまかれん)さん
「豊かな食」など町の持つ魅力を深く知ることができた
「美瑛高生のカフェ巡りマップ」制作の取材で訪れたカフェでは、地元のおいしい食材をメニューに使っているとのお話を伺うことができ、地域への愛着を感じました。
また、町内の農家ではビートの収穫のお手伝いをしました。ボーリングの球くらいの大きさのビートを引き抜くのは初めての経験で大変でしたが、楽しく作業できました。
この活動で学んだ美瑛町の魅力をこれからも多くの人に伝えていきたいです。
▲北海道教育庁社会教育課 TEL.011-204-5744
4 ピックアップ 地域情報
北海道の各地域から話題をお届けします。
(1)十勝総合振興局
十勝海の幸うまいもん祭り
農業王国のイメージが強い十勝ですが、古くから水産業も営まれています。十勝の海の幸を皆さんに知って、味わっていただくため、12月15日(日)に十勝総合振興局で、十勝管内3漁業協同組合主催の「十勝海の幸うまいもん祭り」を開催します。十勝で取れた新鮮な水産物や伝統的な水産加工品を浜値で提供するとともに、パネル展示なども実施します。
▲十勝水産振興会事務局 TEL.01558-2-3131
(2)厚岸町
第62回あっけし牡蠣まつり
厚岸名産のカキをメインにした味覚のまつり「第62回あっけし牡蠣まつり」を11月16日(土)~17日(日)に開催します。会場となる子野日公園ではカキやホタテ、アサリなどの水産物を販売する店舗が並んでいます。炭焼き台を有料で貸し出していますので、購入した食材で手軽にバーベキューを楽しむことができます。
▲厚岸町観光商工課 TEL.0153-52-3131
5 道からのお知らせ
道庁からのお知らせなどをお伝えします。詳しくは、各ウェブサイトをご覧ください。
(1)明るい選挙まんがコンクール作品募集中
政治や選挙への若者の関心を高めるため、明るい選挙をすすめる「まんが」を募集しています。対象は道内の高校生・大学生などや15歳以上30歳未満の方。応募締切は12月23日(月)必着です。
▲北海道選挙管理委員会事務局 電話011-204-5153
(2)インターネットの人権侵害に注意!
インターネットやSNSによるプライバシーの侵害、誹謗中傷、デマの配信・拡散などの人権侵害が問題になっています。被害に遭われた場合は、ご自身の希望に沿った相談窓口にお問い合わせください。
▲道庁道民生活課 電話011-206-6148
(3)児童手当制度が拡充されました
10月から児童手当の受給対象者が大幅に拡充され、0歳から高校生年代の児童を養育している方に支給されるほか、所得制限が撤廃されます。申請が必要になる方がいますので、詳細は市役所、町村役場にお問い合わせください。
▲道庁子ども家庭支援課 電話011-206-6328
(4)マイナンバーカードの保険証利用(マイナ保険証)
現行の健康保険証の新規発行は12月2日(月)で終了しますので、マイナ保険証をぜひご利用ください。発行済みの保険証は最大1年間の経過措置があるほか、マイナ保険証を持たない方には申請によらず資格確認書が交付されます。
▲道庁国保医療課 電話011-206-6494
(5)「MONOテク」「北海道障害者職業能力開発校」訓練生募集
MONOテク(道立高等技術専門学院)、北海道障害者職業能力開発校は、道が運営する職業訓練施設です。令和7年度の訓練生を募集しますので、ぜひご応募ください。
▲道庁産業人材課 電話011-204-5359
(6)とびっきりの北海道の農泊体験を楽しみませんか!
自然・文化に触れてリフレッシュしたい方におすすめなのが、農山漁村に宿泊して、その地域ならではのグルメや体験を楽しむ田舎旅「北海道の農泊」です。詳細はウェブサイトをご覧ください。
▲道庁農村設計課 電話011-206-6490
6 道議会レポート
定例会の概要などをお伝えします。令和6年第2回定例会(6/18~7/5)
(1)定例会の概要
緊急に措置を要する経費について、所要の予算措置を講じるための令和6年度一般会計補正予算案と条例案7件、その他の案件6件が知事から提案され、可決・承認されました。
また、議員および委員会から提出された意見案9件が原案のとおり可決されました。
本会議では、知事などに対し、21人の議員が一般質問を行いました。
(2)本会議・予算特別委員会の主な質問
次の取り組みなどについて議論されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。
●農業振興について
・国の新たな基本計画に対し、本道農業の実情をどのように反映していくのか。
・本道農業の生産基盤の強化をどのように進めていくのか。
●観光振興を目的とした新税について
・事業者や市町村、道民等への理解促進を図るためにどのように対応していくのか。
●子ども施策について
・子ども計画の策定に向けて、どのように進めていくのか。
・子育て支援に向けて、どのように対応していくのか。
●北海道新幹線札幌延伸延期について
・新たな枠組みとして創設する会議体により、北海道新幹線の札幌開業に向けてどのように取り組んでいくのか。
・新駅建設の自治体とのこまめな連絡調整をどのように進めていくのか。
●物価高騰対策について
・経済対策の効果の調査・検証についてどのように考えているのか。
・新たな経済対策を検討する考えはあるのか。
●次世代半導体関連産業について
・全道各地域への効果を波及させるため、どのように取り組むのか。
・千歳川環境調査をどのように行うのか。
(3)第146回北海道・東北六県議会議長会議を函館市で開催(5月15日)
本会議には北海道・東北六県の議長・副議長が出席し、全国都道府県議会議長会に提出する省庁等への要望議案などについて審議が行われました。
北海道における開催は、コロナ禍による書面開催を除くと、平成29年以来7年ぶりとなりました。
(4)定例会のお知らせ
令和6年第4回定例会は11月下旬に開会の予定です。議会中継はスマートフォンでもご覧いただけます。
(5)ウェブサイトをご覧ください
議会中継・録画、議会日程、会議録、傍聴・見学案内、議会時報などをご覧いただけます。
▲北海道議会事務局政策調査課 電話011-204-5691
▲北海道の人口データをお届けします。(令和6年8月末現在)
総人口5,058,193人(前年同月より50,343人減)
(人口は毎月公表される統計資料に基づき直近のデータを掲載しています。)
▲広報(誌)「ほっかいどう」次号は令和7年1月の発行予定です。
北海道の公式ウェブサイトで、点字広報誌のテキストデータを公開しておりますので、パソコンやスマートフォンで音声読み上げソフトをご利用されている方は、お聴きになることができます。
発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課
〒060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目
電話 011-204-5110/FAX 011-232-3796
▲「視覚障害者ガイドヘルパーの日」のお知らせ
12月3日は「視覚障害者ガイドヘルパーの日」です。
社会福祉法人日本視覚障害者団体連合と同行援護事業所等連絡会は、12月3日を「視覚障害者ガイドヘルパーの日」として記念日認定すべく、一般社団法人日本記念日協会に申請し、令和5年12月3日に同協会より認定を受けました。
視覚障害者が安心安全に外出するための同行援護は、制度化されて10年が経過しました。その間、同行援護を利用する視覚障害者は拡大の一途を辿り、現在では視覚障害者の外出を保障する仕組みとして、白杖を利用した単独歩行、盲導犬を利用した歩行とともに最も重要な外出保障の手段となりました。
しかし、同行援護はまだまだ社会で広く知られているとは言えません。
また、その担い手であるガイドヘルパーの不足が続いており、新たなガイドヘルパーの養成が喫緊の課題となっています。
そうした課題を解決するためには、社会に視覚障害者の外出を支援するガイドヘルパーの必要性を広く周知することが重要です。
同行援護の充実・発展によって、人と人とのつながりが広がり、その結果として視覚障害者の社会参加が促進され、共生社会の実現に結びつくことが期待できます。
そこで、同行援護を創設した改正障害者自立支援法が成立した日(平成22年12月3日)を踏まえ、12月3日を記念日「視覚障害者ガイドヘルパーの日」とされました。また、同法の公布日(平成22年12月10日)を踏まえ、12月3日から10日までを記念週間とされました。
記念日及び記念週間を通して、同行援護等の視覚障害者の外出を保障する諸制度の理解を促しつつ、制度の更なる発展を目指し、さらに、その支援者たるガイドヘルパーの地位向上や人材確保も同時に目指すための活動が行われています。
▲社会福祉法人日本視覚障害者団体連合
【組織部団体事務局】 電話03-3200-0011(内線6)
【同行援護事業所等連絡会】 電話070-3206-5645