職員訓示 (令和3年4月1日)

職員訓示

    令和3年4月1日(木)  記者会見室  

 

 職員の皆さん、おはようございます。
 令和3年度のスタートに当たりまして、私から皆さんにお話をさせていただきたいと思います。

 本日、新たに589人の皆さんが、この道庁に入庁をされました。
 新型コロナウイルス感染症の流行が長期化をし、本道を取り巻く社会経済情勢が厳しさを増しております。
 多くの皆さんが日々の生活や将来に不安を抱えている中で、行政が果たすべき役割、道庁が果たすべき役割、そして道職員の皆さんに対する道民の皆様からの期待は、これまで以上に大きなものになっております。
 未曾有の危機の中で、「道民の皆様のために働きたい」、「北海道の未来を創るために、がんばっていきたい」という意欲をもって道職員となってくださいました589人の皆さんを、心から歓迎をしたいと思います。
 本日から、共に皆さんがんばって参りましょう。

 また、本日付けで、知事部局全体では3,186件の人事異動を行いました。
 新たな体制のもとで、感染症対策をはじめとして、直面する様々な課題に正面から立ち向かうという決意を新たにして皆さんと取り組んでいきたいというように考えております。
 皆さん、改めましてよろしくお願い申し上げます。

 道内では、昨年のこの時期、思い出していただきたいのですけれども、感染が拡大した訳でございますが、海外からの帰国や帰省の方、年度替わりでの転勤や入学などの、こういった人の流れが増加したことがその要因の一つではないか、というように言われたわけであります。
 昨日、ニュースでご覧になった方も多いと思いますけれども、大阪府では599人ということで、感染の再拡大が顕著になっているということで、まん延防止等重点措置を申請するということで、府として決定した、ということでありまして、報道によりますと、大阪だけではなくて兵庫、宮城においても、まん延防止等重点措置、この適用を検討しているということで、来週から1か月ですか、という方向で検討しているというような報道も出ています。まさに全国的に感染が再拡大をしている、そういった恐れがある、という状況になっております。

 現在の北海道の状況ですけれども、決して予断が許される、そういった状況にはありません。
 変異株による集団感染の続発など感染の拡大傾向が見られている特に札幌市、道の警戒ステージ4の措置ということで、感染リスクが回避できない場合、不要不急の外出や往来を控えていただくということで皆さんにご理解とご協力のお願いをしているという状況になっています。
 道民の皆様には、多くのご苦労、ご負担をおかけしている訳でありますが、何としても今お話したような全国的な状況などを踏まえまして、早期に抑え込んで全道へのまん延を防いでいく、こういうことをしっかり取り組んで行かなければならないという状況であります。

 こうした強い措置、要請とともに、道民の皆様、事業者の方々には、新北海道スタイルの徹底、これはもとより、引っ越し時期でありますけれども、引っ越しの分散化、飲食につながる歓送迎会、急を要しないあいさつ回り、こういったものの自粛をお願いしているところであります。
 職員の皆様にも、既に率先をしてこれらの取組、実行していただいているところでありますが、組織として、今一度気を引き締めて、しっかりと取り組んでいただくとともに、ご家族ですとか周囲の方々にも働き掛けを行っていただいて、感染拡大防止に努めていただきたいと考えています。
 新年度におきましても、この新型コロナウイルス感染症への対応、このことについては、何よりも最重点、最優先で取り組んでいかなければならないというように考えています。

 とりわけ今後は、ワクチンの円滑な接種、そして先ほども触れましたけれども変異株、こういったものへの対応など、感染の再拡大を防ぐための更なる取組、これを展開していかなければならない、というように考えています。
 このため、保健福祉部に新型コロナウイルス感染症対策監、こちらを設置いたしました。その下に医療体制、地域支援を所掌する感染症対策局、こちらを新設したところでありまして、体制の強化を図りました。
 あわせて、引き続き、感染症対策の最前線で対応が求められる保健所の体制、こちらの拡充とともに、今も変異株の検出など、取り組んでいただいておりますけれども、感染症の情報収集や分析、こういった重要な役割を担っていただいている衛生研究所、こちらの機能も強化したところでございます。
 感染症との闘い、こちらに打ち勝っていく、そのためには、担当部局、そして担当の職員だけではなくて、本庁・振興局など全庁が一体となって取り組んでいくこと、このことが不可欠であります。
 この感染症からの危機から「道民の皆様の命と暮らしを守り抜く」ということ、この思いを全ての職員の皆さんと共有して、心一つに、この難局を乗り越えていきたい、というように思いますのでよろしくお願いいたします。

 本年度は引き続き、今お話したような感染症対策、こちら最優先で取り組む、このことは改めて言うまでもないのですけれども、同時にポストコロナを見据えた新しい北海道をつくっていく、このことを進める上でも、重要な1年になるというように思っています。

 後ろのボードにもあるのですけれど、執行方針で述べました、これまでも申し上げてきましたけども、「ピンチをチャンスに」ということ、そして「ハンディを強みに」、「強みを成長エンジンに」ということで、この3つの視点をもって、本道の未来を切り拓く取組にもチャレンジをしていきたいというように考えております。

 コロナ禍において、様々な意識が変わったんですけれども、「安全、安心、ゆとり」、こういったものを重視するそういった人達の意識の高まり、感染リスクを避ける行動の広がり、こういったものが見られます。
 また社会全体で、これは世界全体でありますが、デジタル化・脱炭素化、こういった動きが出ております。
 目の前のピンチにしっかり対応していく、このことと同時に、こうした社会変革の動きをチャンスとして捉えていくことが重要です。

 また、広域分散の地域構造、首都圏からの距離の遠さ、寒冷な気候、これまで北海道はハンディだということで今申し上げたようなことは言われてきた訳でありますが、こういった特性を新たな強みに変えて、地域の活力につなげていきたいというように考えています。

 さらに、本道が持続的に発展をしていくためには、コロナ以前の姿に戻っていく、回帰をしていく、そういったことだけではなくて、自然や食など揺るぎない価値を更に磨き上げて、これを成長のエンジンとしていく、このことが必要です。

 こうした視点から、本年度は、「北海道Society5.0」「ゼロカーボン北海道」この実現に向けて、こちらも全庁を挙げて取組を加速させていきたいというように考えています。
 総合政策部次世代社会戦略監、こちらを配置いたしました。次世代社会戦略局を新設いたしますとともに、環境生活部にグリーン戦略担当局長をこちらも配置いたしました。経済部に省エネ・新エネ促進室も新設をしたところであります。

 これらの取組は、道庁だけではなくて、民間・大学・研究機関、幅広い分野の皆様と関わって取組を進めていく必要があることから、新たに設置をいたしました担当部局がリーダーシップを発揮しながら、庁内の関係部局が横串をさして、連携をし、前例にとらわれない発想で闊達な意見交換をして、積極的にこの政策を展開してほしいというように思っています。
 ぜひ、今申し上げたような新たな体制・そして取組を進めていく上で、新たに入っていただいた589人の新規の職員もそうですし、様々な知恵・アイデアというものも皆が出して、一丸となって取り組んでいきたいというように思っております。

 もとより、道政の基本は、職員の皆さんが、それぞれの職場で取り組んでおります、地域の活性化や産業の振興、暮らしの安全・安心の確保、公共施設の整備・維持・管理といった業務でありまして、これら一つ一つの仕事の積み重ねが、道民の皆様の道庁に対する信頼の基盤となっている訳であります。
 本庁・振興局、職員の皆さん、感染症によって、直接顔を合わせて会議や打ち合わせを行う、こういったものについては、制約を受けることがこれまで続いてきている訳でありますが、そういった意味では思うように仕事が進められないという意見もあるかもしれませんが、一人ひとりが知恵を絞って、オンラインですとか、様々な知恵を出して活用しながら、業務に既に取り組んでいただいているというように承知をしています。

 私自身も、最近頻繁に、町村会の首長の皆様をはじめ、オンラインで順次意見交換をさせていただいておりますが、感染症の対策だけではなくて、ポストコロナに向けたそれぞれの町が取り組んでいるそういった取組ですとか、いろんな農林水産業の振興・過疎対策、様々な課題について、率直なお話を直接お伺いしています。
 地域の生の声、これはやはり大切だというように私自身も肌で感じているところであります。

 こうした大変な時だからこそ、皆さんが取り組む全ての仕事が、感染症に強い北海道、ポストコロナの新しい未来を切り拓いていくんだという意識を持っていただいて、改めて、道民目線、道民第一の目線で考えていただいて、今申し上げたような市町村や関係機関・団体の皆様との連携、そして声、そういったものを、これまで以上に大切にして、仕事を進めていただきたいというように思います。
 職場での立場・仕事の内容は当然のことながらそれぞれ異なる訳でありますが、職員の皆さん一人ひとりが、「現下の危機を乗り越えて、活力あふれる北海道の実現のために全力を尽くしていく」このことをそれぞれが、意気込みを持っていただいて、この年度を取り組んでいただきたいというように思います。

 いよいよ始まる令和3年度、私の思いの一端をお話させていただきましたけれども、この一年、こういったことも胸に刻んでいただいて、共にがんばっていきましょう。
 私からは以上でございます。

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