職員に向けた仕事納めのあいさつ
令和2年12月28日(月)知事室
令和2年の仕事納めに当たり、職員の皆さまにご挨拶をさせていただきます。
今年は何といっても、新型コロナウイルス感染症への対応に当たって、職員の皆さんに、それぞれの担当業務の中で、力を尽くしていただいた1年となりました。本当にご苦労さまでした。
私たちが直面をしている新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、かけがえのない命を奪い、経済を揺るがすに止まらず、暮らしのあり様や、人との関わり方すら変えるほどの影響を及ぼしております。前例なきこうした事態に対して、日々、知恵を絞り、懸命に仕事に取り組んでいただいてきた職員の皆さん、そして皆さんを支え続けてくださったご家族、ご友人の皆さんに、知事として、心から感謝を申し上げたいと思います。
私自身、7月に、感染症対策の最前線である保健所にお邪魔をいたしまして、保健師の方々をはじめとして職員の皆さんから、大変厳しい状況の中で、どのように仕事をされてきたのか、直接お話を伺いました。高い使命感をもって、困難な仕事に取り組む皆さんの存在、多くの方々にとって大変不安な中で、本当に頼もしく感じることができたものと思っております。
全道の保健所をはじめとする関係する部署でも、大変ご苦労されながら、例えば感染状況の毎日のモニタリング、感染防止対策や医療提供体制の確保に向けた調整、さらには、大変厳しい状況にある事業者の方々への支援など経済への影響対策に取り組んでいただいております。知事として、また同じ道庁で働く仲間として、皆さんのことを誇りに思います。
そして、本庁の皆さんには、累次にわたる緊急対策にご尽力をいただきました。各振興局も含めた全ての皆さんには、感染症への対応が長期化をして、収束が見通せないという状況の中で、行事や会議の開催、出張などについて様々な制約がある中でも、各職場において知恵を絞っていただき、工夫をしながら、先行きに不安な思いをお持ちの道民の皆さまにしっかりと寄り添って、市町村、関係機関・団体の皆さまと連携をして、誠実に職務に取り組んでいただきました。
また、コロナ禍においても、道民の皆さまからの相談、道税の徴収、生活に必要な基盤の維持管理、災害対応など、暮らしの安全・安心を常に支えていただいている職員の皆さんには、改めて感謝を申し上げたいと思います。
しかしながら、依然として厳しい感染状況が続いております。この間、大変残念なことではありますが、多くの尊い命が失われ、今もなお、800人を超える方々が病院にご入院されているという状況を考えると、この感染症への対応には、一刻の猶予も許されません。
道としては、保健所をはじめ体制の強化に可能な限り取り組んでいくわけでありますが、職員の皆さんには、引き続き、ご苦労をおかけすることとなります。
これまでもそうですが、道庁の総力を結集して、何とかこの難局に立ち向かっていきたい、その思いであります。どうか、改めて皆さんによろしくお願い申し上げたいと思います。
こうした感染症への対応に、日々、苦闘する中にあって、道民の皆さまをはじめ、北海道を応援してくださる多くの皆さまから大きな勇気をいただいたこと、このことも忘れることができない1年でありました。
特に、クラウドファンディングを活用して、多くの方々の思いを医療に携わる方々に届ける「エールを北の医療へ!」ということで、これはふるさと納税をはじめとする様々な企業、団体からご寄附を頂いて、当初予定していた寄附の目標の20倍以上となる11億4千万円を超えるご寄附が集まりました。支援ももちろんですけれども、医療従事者の皆さまをはじめ、頑張る皆さまに対して多くのメッセージも添えて、ご支援をいただきました。
命を守るため医療の最前線で奮闘されている、そういった姿に、多くの方々が共感をして、エールを送ろうということで、思いやりの好循環が生み出されました。その象徴的な取組だったと思っています。これも全国で最も早い段階で、こういった医療従事者の方々への寄附の呼びかけということを行ったのですけれども、これも職員の皆さんの「短期間でこれをやろうじゃないか」という情熱から生まれたものです。
コロナ禍において、こうした共助の取組が具体的な形になったこと、将来の北海道にとっても、大変大きなことだと考えています。この成果を、今後の道政の様々な分野で活かしていけるのではないかと思っています。これからも職員の皆さん一人ひとりの様々なアイデアを寄せていただければと思っています。よろしくお願いします。
一方で、今年、これは極めて残念なことですが、官製談合防止法違反の罪で道職員が逮捕・起訴されるなど、職員の不祥事が相次いだところであります。
新型コロナウイルス感染症が長期化をして、先行きが見通せずに、道民の皆さま、事業者の方々が大変な思いをされている中で、そして、我々道庁挙げて、そういった方々の不安を払拭するために、日々、懸命に職員の皆さん一人ひとり頑張っていただいている、そういった状況の中で、道政への信頼を損なう事態になったことは、大変残念であり、そして、多くの皆さまに大変申し訳ないと思っております。
職員一人ひとり、公務員としての使命を改めて胸に刻んで、行動と実践で、道民の皆さまの期待に応えていかなければなりません。皆さんよろしくお願いいたします。
今年は、感染症対応のために、振興局や出先機関で活躍をされている職員の皆さんと、直接、私も顔を合わせる、そういった機会が、残念ながら少なかったわけですが、先日は、来年度の政策展開の方向性などについて、オンラインも活用させていただきながら、振興局や本庁各部の皆さんと意見交換をさせていただきました。大変、時間は限られておりましたけれども、前向きな議論ができたと思っております。
私は、職員の皆さんが、自分の仕事に対してやりがいと魅力を実感できる道庁にしたいと考えています。今、多くの時間を道庁で、皆さん過ごしていただいています。寝る時間、仕事で働く時間、人生トータルで考えたら、道庁で長く働いていただくことを考えれば、大変重要な生活の場所が、ある意味では職場なわけです。
皆さんが道職員を志したときの情熱をそのまま、今後の北海道のあるべき姿について、役職ですとか、部署ですとか、そういった垣根を越えてフラットにみんなと議論できる環境を目指して、自由な発想が生まれる、活気ある組織にしていきたいと思っております。ぜひ、先ほど申し上げましたけども、皆さん、このコロナ禍、前例の無い中で、気づいた点を、声を上げてほしいと思っています。
今回の年末年始についてですが、これまでと違う特別な意識を持って臨んでいくことになります。
道民の皆さまに、行動変容に関する様々なお願いをしている、そういった中での年末年始になります。まずは、職員の皆さんに、そのことを心に刻んでいただきたいと思います。職員一人ひとりが危機意識を持っていただいて、感染予防のための「静かな年末年始」を過ごす、そういった特別な年末年始として、過ごしていただきたいと思います。もちろん、しっかりと英気を養っていただきたいと思っております。
また、正月休みを返上して、感染症への対応や危機管理対応などに勤務される職員の皆さんがいることも、忘れてはなりません。対応に当たる皆さん、本当にご苦労をおかけいたします。対応いただく幹部の皆さんには、職場の仕事のローテーションなど勤務体制に十分配慮をしていただきたいと思っています。
年末年始のお休みでは、ご自身とご家族の皆さまの健康にご留意いただくようお願いをして、簡単ではありますけども、私からの仕事納めのご挨拶とさせていただきたいと思います。本当に皆さん1年間お疲れさまでした。ありがとうございます。