職員訓示 (令和7年4月1日)

職員訓示

    令和7年4月1日(火)10:00~知事会議室  

 

 

 皆さん、おはようございます。

 本日、新たに682人の皆さんを道庁にお迎えをして、令和7年度がスタートいたします。

 新たに道庁に入られた皆さんを心から歓迎申し上げたいと思います。そして、共にこれまで働いてきた皆さんには、人事異動等によって、新たな体制の下でスタートするわけでありますが、道民の皆様のため、道政において停滞は許されないところであります。この人事異動の中での新たな体制の下で、道政をしっかり進めていくための十分な目配りを、ぜひ幹部職員の皆さんにはしていただきたいと思っています。

 さて、北海道を取り巻く環境は、大きく変化をしています。脱炭素化、デジタル化、そして不安定な国際情勢、こういった動向を踏まえますと、北海道こそが、経済、そして食料の安全保障、我が国に大きく貢献する、そういう存在だと確信しています。

 そして、北海道のそういった価値を、しっかり国の政策、戦略にも位置付けるべきだということで、これまで、本日ここに集まっていただいている多くの幹部職員をはじめ、職員の皆さんと力を合わせて取り組んできた結果、国においても、経済、また食料の安全保障上、極めて重要な役割を北海道が担っていくべきであり、また、その国家戦略において、そういった北海道の位置付けが、明確になってきていると考えています。

 例えば、GX2040ビジョンにおいても、豊富な再エネポテンシャルについて企業集積の強みだということで、北海道の企業支援についてプロモーションしてきたところでありますけれども、国においても、このビジョンの中では再エネが豊富な地域に産業を集積する、こういった国家戦略上の考え方が示されました。

 今月ですけれども、苫小牧市において、再エネ100%での運用が予定されている、我が国最大規模となるデータセンターの工事が着工するというところまでまいりました。

 また、今日早速、報道等でも出ておりましたラピダス社のパイロットラインが、順次、本日から稼働するというところまでまいりました。これはもう2年以上前ですけれども、ラピダス社本社にお伺いをして、ぜひ北海道に進出をしてほしいということで、皆さんと共に働きかけをして以来、困難な挑戦ではありましたけれども、大きなマイルストーンであるパイロットラインの稼働まで進めることができました。これも皆さんのおかげであると思っています。国からも、更なる追加支援として、8,025億円の追加支援が発表をされ、累計支援額についても、1兆7,225億円ということで、これまでにない投資が行われるという状況であります。ぜひ、この量産に向けた取組、また、製造、研究、人材育成が一体となった複合拠点の実現に向けて、更に取組を進めていきたいと思います。

 また、これも大きな変更でありますけれども、食料安全保障の話は申し上げましたが、国の四半世紀ぶりに改正された食料・農業・農村基本法を受けての基本計画の中において、47分の1ではなく、北海道は食を支える重要な地域であるということを、ぜひ位置付けてほしいということで取組を進めてまいりましたけれども、主要穀物等の主産地として、北海道が明確に位置付けられ、食料安全保障上、重要な役割を果たす地域であることも、この基本計画の中で位置付けられたところであります。これは、長年にわたる日本の農業政策、そして本道の農業政策においても重要な、明確な位置付けがなされたと思っています。

 今申し上げた点は一部でありますけれども、やはり北海道は、大きなチャンスを迎えていると言うことができるのではないかと思います。ぜひ、この追い風をしっかりと捉えて、北海道の価値を押し上げていく、そのための取組を幹部職員はじめ職員一丸となって進めていきたいと考えています。

 そして、このような取組ももちろん重要ですが、何よりも重要なのは、道民の皆様の命を守る、そして暮らしを守るということであります。

 現在、災害も頻発化、激甚化しています。災害は時と場所を選んでくれません。人事異動で体制が変更となる中でも、いつ起こるかわからないことに万全を期していかなければなりません。

 また、避難所用物資の充実など、災害への備えの強化も着実に進めていかなければなりません。

 そして、物価高騰の影響などで、道民の皆様の暮らしに大変大きな影響が及んでいます。お米の値段も高くなる中で、いよいよ今週から全ての子育て世帯に対してお米券をお配りするということで、申請受付も開始になります。できるだけ早く、お困りになられている皆様のためにお届けをする。こういう取組をはじめとして、生活にお困りの方々への支援などに全庁を挙げて取り組んでいかなければなりません。

 地域交通の確保、医療・福祉の充実、そしてクマをはじめとした野生鳥獣対策、地域の様々な声をしっかりと受け止めながら、必要な施策を着実に進めていきたいと思っております。

 今、国でも地方創生2.0ということで、地方創生の総合戦略を北海道でも策定し、産業や人、投資を呼び込み、北海道の創生を進めていく。そして、「こどもまんなか社会」を実現していくための子ども・子育て施策に取り組んでいく。

 人口減少が進む中でも、お一人おひとりが豊かで安心して住み続けられる北海道を実現していく。この取組もしっかりと進めていかなければなりません。

 今申し上げた点は、道政上の課題又はそのチャンスの一部であります。これをどう形作っていくかは、新たに迎えた682人の新規採用職員をはじめとして、道庁の職員の力にかかっているというふうに思っています。ぜひ、皆さん、これからも存分に力を発揮していただきたいと思います。

 そして、今申し上げたような大きな転換点を迎えることを踏まえた中で、組織についても大きく見直すことにしております。再エネなどの活用を見据えた産業集積の加速のための、GX推進局。次世代半導体、AI、スタートアップなど、デジタル関連施策を一体的に推進する、AI・DX推進局。農畜産物等の安定供給に向けた総合調整にあたる、食料安全保障推進局。「まち」、「ひと」、「しごと」、そして「デジタル」を柱とする重点戦略プロジェクトを展開し、人口減少対策の司令塔的な機能を担う、地域創生推進室を新設いたします。

 さらに、職員の皆さんが、最大限にその能力を発揮していくために、職場環境の改善をはじめとする、働きやすく、働きがいのある職場づくり、これが欠かせないわけであります。多様な人材の活躍が求められる中で、多くの職員の皆さんが実感できるよう、業務改善、執務環境の整備に取り組んでまいります。

 新年度を迎えて、新たな業務に携わることとなった職員が多いと思いますけれども、「北海道や、そこに住む道民の皆様のために働く」という使命を胸に抱き、そして、「失敗を恐れずに、果敢に挑戦をする」という気概をもっていただき、「世の中のさまざまな動きを敏感に捉えて、地域の活性化につなげていく」という視点で、ぜひ業務にあたっていただきたいと思います。

 繰り返しでありますが、私は、北海道には、エネルギー、デジタル、食、観光といった、日本、そして世界に誇る、様々な強みがたくさんあると確信をしています。

 先ほど申し上げた次世代半導体又はデータセンターの立地のように、北海道のポテンシャルを具体的な「形」に、そして、実際にそれを地域の力に変えていく、また、幅広い分野、施策を相互に連携をさせながら、横断的に取組を進めていく、それこそが広域自治体である北海道に求められる、大変重要な役割であると考えています。

 道庁は、知事部局をはじめ、教育庁、警察本部、合わせますと、全道各地に6万人を超える職員の方々が、日々活躍いただいています。これは、生産年齢人口の50人に1人が道の職員ということになる計算でありまして、こういう数字で言うと結構びっくりするくらいの割合です。ですから、職員の方やご家族や関係者という意味で言うと、もっと多いわけです。だからこそ、私は道内の最大の組織なんだと思っています。

 地域の「力」を高めて、北海道をさらに発展をさせていくためには、こうした状況にある道庁が、我々一人ひとりが、それぞれの地域で、しっかり職務を果たすことが北海道の発展に直結すると思っています。徹底した現場主義の下で、道庁一丸となって、地域の課題の解決に向けて、全力で取り組んでいきたいと思います。

 皆さんのこれからの活躍が、将来の北海道の発展につながります。ぜひ、皆さん、一緒に新しい体制で北海道を前に進めてまいりましょう。これからも皆さん、よろしくお願い申し上げます。

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