平成29年就業構造基本調査結果

【調査の概要】

調査の目的

就業・不就業の実態を種々の観点からとらえ、我が国の就業構造を全国だけでなく、地域別にも詳細に明らかにし、国や都道府県における雇用政策、経済政策などの各種行政施策立案の基礎資料を得ることや学術研究のための利用に資することなどを目的としている。
昭和31年の第1回調査以来ほぼ3年ごとに実施してきたが、57年以降は5年ごとに実施しており、今回の調査は17回目に当たる。

調査の期日

調査は、平成29年10月1日午前零時現在で行った。

調査の範囲

  1. 調査の地域
    平成27年国勢調査区のうち、総務大臣が指定する約3万3千調査区(本道は926調査区)において調査を行った。
  2. 調査の対象
    指定された調査区のうち、総務大臣が定める方法により市町村長が選定した抽出単位(一の世帯が居住することができる建物又は建物の一部をいう。)に居住する約52万世帯の15歳以上の世帯員約108万人 とした(本道では約14,900世帯の15歳以上の世帯員約29,000人が対象)。
    ただし、次に掲げる者は除いた。
    ア 外国の外交団、領事団(随員やその家族を含む)
    イ 外国の軍隊の軍人、軍属とそれらの家族
    ウ 自衛隊の営舎内又は艦船内の居住者
    エ 刑務所、拘置所の収容者のうち、刑の確定している者
    オ 少年院、婦人補導院の在院者

1 有業者の就業状態

(1)有業者数及び有業率(表1)
◎男性は有業者、有業率ともに減少、女性はともに増加

  • 有業者数は261万3千人で、前回(平成24年調査)と比べ1万5千人の減少、有業率は55.4%で、前回と比べ0.7ポイントの上昇。
  • 男女別にみると、有業者数では、男性は143万3千人、女性は117万9千人で、前回に比べ男性は4万6千人の減少、女性は3万人の増加。
  • 有業率では、男性は65.4%、女性は46.7%で、前回に比べ男性は0.8ポイントの低下、女性は2ポイントの上昇。

(2)年齢階級別有業率(表2)
◎男性は「65~69歳」の有業率が大きく上昇
◎女性は「75歳以上」以外のすべての階級で上昇

  • 前回と比べ、男性は65.4%で0.8ポイントの低下、女性は46.7%で2ポイントの上昇。
  • 年齢別に前回と比較すると、男性は「65~69歳」の有業率が10.5ポイントと大きく上昇、女性は「75歳以上」の有業率が0.3ポイント低下した以外は、すべての年齢階級で上昇。

(3)従業上の地位別有業者数及び割合(表3)
◎雇用者の割合は約9割
雇用者数は233万9千人で前回に比べ4万人の減少、雇用者の割合は89.5%で前回に比べ1.0ポイントの低下。

(4)産業別有業者数及び割合(表4)
◎第3次産業の割合が高い

  • 有業者を産業別構成比でみると、第3次産業の割合が74.0%(193万2千人)と高く、そのうち 卸売,小売業が15.8%(41万4千人)、医療,福祉が13.9%(36万3千人)と高い割合を占めている。
  • 前回に比べ、製造業は0.8ポイントの低下、医療,福祉は0.9ポイントの上昇。

2 雇用者の雇用状況

(1)雇用形態別雇用者数(役員を除く)及び割合(表5)
◎正規雇用は増加、非正規雇用は減少

  • 雇用者(役員を除く)に占める正規雇用の割合は、前回に比べ、59.4%(130万4千人)と2.2ポイント(2万6千人)の上昇、非正規雇用の割合は40.6%(89万3千人)と2.2ポイント(6万4千人)の低下。
  • 非正規雇用の中では1.7ポイント(2万9千人)増加したパートを除きすべて減少。

(2)週間就業時間階級別雇用者数及び割合(表6)
◎男女ともに週間労働時間「35~42時間」の割合が多く、3割前後

  • 前回に比べ男性は「49~59時間」及び「60時間以上」は減少、それ以外は増加。一方、女性は 「30時間未満」及び「43~45時間」は増加、それ以外は減少。

(3)所得階級別雇用者数及び割合(表7)

  • 雇用者の所得分布の構成比を男女別でみると、男性は「200~299万円」が19.2%と最も多く、次いで、「300~399万円」の17.2%、「400~499万円」の13.7%。女性は、「100~199万円」が31.1%と最も多く、次いで「99万円未満」の28.8%、「200~299万円」の19.5%。

(4)主な雇用形態、所得階級別雇用者の割合(表8)

  • 主な雇用形態ごとに所得(主な仕事からの年間収入)階級別割合をみると、「正規の職員・従業員」では、男性は「300~399万円」が20.3%で最も高く、次いで「200~299万円」の19.5%。女性は「200~299万円」が34.6%で最も高く、次いで「300~399万円」の21.0%。総数では、500万円未満は全体の70.2%、700万円未満は88.5%となっている。
  • 「パート」では、男性は「100~199万円」が57.2%と最も高く、200万円未満が全体の86.7%となっている。女性は「100万円未満」49.9%と最も高く、200万円未満が全体の93.1%となっている。
  • 「アルバイト」では、男性は「100万円未満」が56.8%と最も高く、200万円未満が全体の89.3%となっている。女性においても「100万円未満」が69.5%と最も高く、200万円未満が全体の95.9%となっている。

3 夫婦共働き世帯

(1)夫婦共働き世帯数及び割合(表9)
◎夫婦共働き世帯の割合は上昇

  • 世帯総数のうち、夫婦共働き世帯の割合は44.5%で、前回に比べ4ポイントの上昇。うち夫婦と子供から成る世帯の割合が最も高く、24.4%を占めている。

4 就業調整

(1)所得階級、就業調整の有無別非正規の職員・従業員数及び割合(表10)
◎就業調整を行っている非正規職員・従業員の割合は26.8%
◎所得階級「50~99万円」及び「100~149万円」における就業調整率が高い

  • 就業調整を行っている非正規職員・従業員は24万人で26.8%を占める。そのうち所得階級ごとの割合は、「50~99万円」が45.7%で最も高く、次いで「100~149万円」の35.5%。
  • 男女別にみると、男性のうち就業調整している者は10.7%(2万8千人)、女性は33.5%(21万1千人)を占めている。
  • 男女ともに「50~99万円」の所得階級が最も高く、男性は22.0%(9千人)、女性は50.2%(11万2千人)

(2)年齢階級、就業調整の有無別非正規の職員・従業員数及び割合(表11)
◎就業調整をしている者の男女比は、男性11.7%、女性88.3%

  • 就業調整をしている24万人のうち、男性は2万8千人、女性は21万1千人を占めている。

5 出産・育児と就業

(1)育児をしている者の年齢階級別15歳以上人口及び有業率(表12)
(2)出産・育児により前職を離職した15歳以上人口(過去1年以内)及び割合(表13)
◎出産・育児で離職した者は1千人減少

  • 離職者のうち、出産・育児を理由とする者は8千人で、ほぼ女性が占めている。

6 介護・看護と就業

(1)介護・看護をしている者の年齢階級別15歳以上人口及び割合(表14)
(2)介護・看護により前職を離職した15歳以上人口(過去1年以内)及び割合(表15)
◎介護・看護で離職した者は1千人増加

  • 離職者のうち、介護・看護を理由とする者は5千人で、大半を女性が占めている。

7 55歳以上の就業状況

(1)年齢階級、就業状態、就職希望の有無別55歳以上人口の割合(表16)
◎55歳以上における有業率は、前回に比べ、75歳以上の女性を除き、各年齢階級で上昇

8 追加就業希望

(1)雇用形態別追加就業希望者数及び割合(表17)

【統計表】(PDF)

  • 育児をしている者のうち有業者の占める割合は全体の76.7%で、男性は98.8%、女性は60.8%。
  • 男女別にみると、男性で最も有業率が低いのが「40~44歳」で97.8%。一方、女性で最も有業率が高いのが「45~49歳」で67.0%
  • 介護・看護をしている者は25万9千人で、うち男性が9万2千人、女性が16万7千人。
  • 年齢別に見ると、「60歳以上」の割合が最も高く49.1%(12万7千人)。
  • 介護をしている者の有業率は51.8%で、男女別にみると男性は60.2%、女性は47.1%。
  • 男性の有業率はすべての年齢階級で上昇し、特に「65~69歳」では11.1ポイントと大きく上昇しているのに対して、無業者の割合は就職希望者・非就職希望者いずれも大半の年齢階級で低下。
  • 女性の有業率は「75歳以上」の0.1ポイント低下を除いたすべての年齢階級で上昇しており、無業者の割合においても、うち就職希望者については「55~59歳」の0.5ポイント低下を除いたすべての年齢階級で上昇。一方、無業者のうち非就職希望者においては、すべての年齢階級で低下。
  • 雇用者のうち、追加就労希望者の占める割合は5.3%(12万5千人)で、うち男性は5.4%(6万8千人)、女性は5.3%(5万6千人)。
  • 年齢階級別にみると、「15~24歳」が最も高く9.4%(1万8千人)。
  • 男女別にみると、男性は「15~24歳」が最も高く12.2%(1万1千人)、女性は「35~44歳」の7.1%(1万7千人)。

【参考】(PDF)


1資料出所 総務省「就業構造基本調査」
2. 統計表を見る上での注意
(1)総数には分類不能・不詳の数値を含むため、また、100位を四捨五入して1,000位までを有効数字として表章しているため、総数と内訳の合計とは必ずしも一致しない。
(2)表章している前回調査からの増減と、各回調査の差は、端数処理により必ずしも一致しない。
(3)「0」、「0.0」は、集計した数値が表章単位に満たないものである。
(4)「-」は、該当数値のないもの又は平均値及び割合の算出に当たって除数が表章単位に満たないものである。
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