山岳遭難は夏に向けて多発する傾向にあり、遭難者に締める40歳以上の割合は約8割と高く、遭難態様別では道迷い、転倒、滑落が占める割合が高くなっています。
登山コースの事前学習不足や地図とコンパスの不携帯、地図読みスキルの不足等は道迷いの原因となり得ます。
転倒・滑落事故では、「つまづき」や「スリップ」といったことが原因となって、骨折等の重傷を負うケ ースが目立っており、山の中で大きな怪我をしてしまうと自力での下山は難しくなることから、一歩一歩慎重に歩きましょう。
また、夏山の天気は午後から崩れやすい傾向にあるので、「早発ち、早着き」が基本であり、夕立が降る前 に目的地に着いて、ゆっくり体を休めながら翌日のルートを再確認しましょう。
以上のことも踏まえながら、登山を行う場合は、次の点に留意しましょう。
- 道に迷わないように登山地図アプリを活用しましょう。
- 余裕のある日程の登山計画を立てましょう。
- 連絡・通報のための通信手段を万全にしましょう。
- 水分をたくさんとりましょう。(必要な水分量(ml)=体重(kg)×行動時間(時間)×5)
- 常備薬を持ちましょう。
- ヘルメットを着用しましょう。
- 非常時のことを想定した雨具・防寒着を装備しましょう。
- 登山計画書は、家族や職場などの他に警察署などにも提出しましょう。
・登山計画書 (word 71.5KB) ・登山計画書 (PDF 13.4KB)
・夏山装備品チェックリスト (PDF 12.9KB)
登山中の低体温症を防ぐためには
2009年の夏、大雪山系トムラウシ山で8名の方が亡くなるという遭難事故が起きましたが、その主な原因は「低体温症」でした。
低体温症とは、深部体温(身体の内部(内臓や脳)の体温のこと)が35度以下に低下した状態を言い、「体温が奪われること」と「体の熱が作れないこと」の条件が揃うことで発症します。
このため、標高や季節に関係なく、低い山や真夏の暑い時期でも発症する場合があり、仮に低体温症が発症すると、生命維持機能に支障が出やすくなり、そのまま放置すると命を落とすこともあり大変危険な状態となります。
皆さんには、低体温症のリスクを十分認識していただくとともに、低体温症になるのを防ぐ次の対策を心掛けていただきますようお願いします。
<体温が奪われるのを防ぐために>
濡れることから守る(雨に当たらないようレインウェアを着る、雨や汗で濡れた衣服は着替える)
風を防ぐ(風が強くなったときはレインウェアなどを着て体温の低下を防ぐ)
<体の熱を作るために>
食べる(炭水化物をこまめに摂る)
しっかり動く(スピード感のある歩きをして熱を作る、長い時間じっとしていない)
<低体温症のリスクを回避するために>
天気が悪いときや体調が悪いときは登山をしない
登山の途中で天候が悪化しそうなときは、引き返すか留まるかの判断を早めにする
※ 次のリンク先から、低体温症に関する内閣府制作の啓発動画(約3分)を視聴いただくことができますのでご覧ください。
夏山登山でも油断しないで!~低体温症~【字幕付】 | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)
道に迷ってしまったら
むやみに歩かず、風雨が避けられる場所で救助を待ちましょう。
高い音が出る物(ホイッスル)や携帯電話で自分の位置を捜索隊に知らせましょう。
ホイッスルは、万が一のための命綱
ホイッスルは、音が遠くまで届き、捜索隊に自分の居場所を知らせることができるので、早期発見につながり自分の命を守ることができます。
ヒグマへの注意について
登山途中にヒグマに遭遇する事例が報告されています。
下記のリンクについても、ご確認ください。
ヒグマによる人身被害を防ぐために (環境生活部自然環境課のページ)
ヒグマ出没情報 (環境生活部自然環境課のページ)
トピックス
- 北海道管理の避難小屋について(環境生活部自然環境課のページ)
- 山菜採りの事故防止について(環境生活部スポーツ振興課のページ)
- バックカントリースキー事故防止について(環境生活部スポーツ振興課のページ)
- 山岳遭難発生マップ・登山計画書様式について(北海道警察本部のページ)
リンク