分類記号:B48
稲船家は、檜山地方の漁業経営者で地方名望家。はじめ相沼内村(のち熊石村の大字)に居住、1904(明治37)年に久遠村大字湯尻村に転籍した。稲船家の檜山地方への進出時期は定かではないが、天保年間にはすでに進出していたと推定される。稲船権兵衛は、1841(天保12)年に生まれ1883(明治16)年に家督相続、漁業経営のかたわら村総代や学務委員、郵便局長を務めた。その長男宇一郎は1865(慶応元)年生まれ、1904(明治37)年に家督を相続し、1916(大正5)年に権兵衛と改称している。
資料は、この二人の関係文書が大半で、不動産関係(売買、登記など)、貸借関係(借用証文など)、官庁・公的団体の任命・委嘱を受けた職の関係(辞令など)、寄附関係(褒状、領収証)などである。資料からは、規模は不明であるが数種類の漁や水産加工製造を手がけ、副業として農業も行っていたことがわかる。
1862(文久2)~1945(昭和20)
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