分類記号:B0-151
江戸時代後期の幕府官吏で、箱館奉行支配組頭も勤めた安間純之進(あんまじゅんのしん)の日記。「随筆」と題されている。
この資料にはデジタル・アーカイブズがあります。
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1 私文書群の作成者に関する情報
安間純之進(心斎(しんさい))
江戸時代後期の幕府の官吏。
1804年(文化元)10月19日甲斐国都留郡小沼村(山梨県西桂町)の渡邊家(さきたま屋)に生まれる。
江戸の御家人・玉木家の養子となるが離縁、次いで安間家の養子に入る。
1854年(安政元)、支配勘定のとき、目付堀利煕・勘定吟味役村垣範正に従い、蝦夷地及び樺太に出張。
同年、箱館奉行支配調役、1857年(安政4)、同組頭勤方、次いで組頭を歴任。箱館台場建築の功により将軍から拝領物があった。
1862年(文久2)西丸切手御門番之頭に任ぜられるとともに「永々御目見以上」を仰せ渡され、正式な旗本家となった。
幕府瓦解後は星野家(山梨県大月市)の立て直しに尽力。
1887年(明治20)10月20日死去、享年84歳。
なお、蝦夷地出張の途次、松前藩からの依頼に応じ、箱館に来航したペリーへの対応を、徒目付平山謙二郎、蘭学者武田斐三郎(あやさぶろう)らと共に手助けした。
2 私文書群の入手経緯
3 私文書群の概要
- 資料総点数
19点 - 資料年代
1849(嘉永2)~1868(慶応4)
ただし、1855(安政2)を欠く。 - 資料内容
江戸時代後期の幕府官吏で、箱館奉行支配組頭も勤めた安間純之進の「随筆」(日記)。 - 私文書群に関連する主な地域
渡島、北海道、樺太、東京 - 私文書群に関連する主な主題
北海道史、人物・家系、地理・紀行、政治・経済
4 利用条件
閲覧
- 【文書館閲覧室】
閲覧請求票により請求してください。 - 【デジタル・アーカイブ】
手続の必要はありません。
複写
【文書館閲覧室、デジタル・アーカイブ共通】
複写承認申請書により申請してください。
デジタル・アーカイブにおいて「複写」とは、画像ファイルを保存すること及び画像を印刷することとします。ただし、ブラウザのキャッシュ・ファイルなど一時的な保存については「複写」とは見なしません。
出版物等への掲載
【文書館閲覧室、デジタル・アーカイブ共通】
複写物出版・掲載許可申請書により申請してください。成果品を文書館に1部提出してください(複製可)。
「出版・出版物への掲載」とは、図版として使用すること、資料集(史料集)として刊行すること等です。放送、ウェブへの掲載なども含まれます。該当するかどうか迷ったら、道立文書館にお問い合わせください。
成果品の提供
本資料を用いて調査・研究を行った場合は、原本所蔵者である星野家に成果品を一部提供してください(道立文書館経由)。
どのような調査・研究が行われているかを星野家として知りたいためなので、出版・掲載許可とは別にお願いします。
5 参考文献
- 『「心に舞う」4花咲本陣』 星野喜忠・井上豊共著、日本ステンレス工業株式会社発行、平成19
- 『「心に舞う」5大月人物伝』 大月人物伝編集委員会著、日本ステンレス工業株式会社発行、平成20
- 『甲州街道花咲宿本陣国指定重要文化財星野家住宅』(リーフレット) 大月市教育委員会編・発行
【別記】安間家と星野家の関係について及び入手経緯の詳細
本文書群は、山梨県大月市星野家が所蔵している文書に含まれているものである。安間家が星野家と深い関係にあったことから、安間家の文書も星野家に残された。
純之進の姉・照子は星野喜右衛門(5代目)の妻。
潔は、星野喜右衛門と照子の子で、純之進の養子となった。
陽吉には嗣子なく、安間純之進家はここで途絶えた。安間純之進家の墓は星野家墓所内にある。
複製したのは「随筆」と題された安間純之進の日記だけであるが、これら以外にも安間純之進ないしは安間家の文書が含まれている可能性があるため、文書群の名称は「星野家所蔵安間純之進文書」としている。
星野家は甲州街道花咲宿(山梨県大月市)で本陣を務めた家であり、本陣、蔵などの建物は国指定重要文化財星野家住宅として現存している。建物だけでなく、家の中の家具、建具、調度品、美術工芸品、文書類なども、星野家代々の人たちにより大切に保存されてきた。
文書類は市指定重要文化財となっているが、その保存に関しても当然星野家代々の人たちが心を配ってきたが、とりわけ現当主から見て先々代にあたる竒(くすし)氏は、文書保存箱を特別に誂えるなど、重要な役割を果たした。
なお、竒氏は旧姓を置塩(おしお)といい、北海道帝国大学予科桜星会歌「瓔珞みがく」(大正9年)の作曲者として知られている。
星野家文書中に安間純之進の日記が含まれていることについては、安藤正人学習院大学大学院教授(アーカイブズ学)(当時)から当館に情報提供があった。
安藤氏は学生時代のゼミで星野家文書の調査に参加して以来、長年にわたって継続的に調査を行ってきており、その過程で安間純之進「随筆」の存在を知ることとなった。
安藤氏には情報提供のみならず、星野家との仲介もしていただいた。
なお、平成23年度の撮影に際しては、安藤氏の下で資料調査に参加した経験のある谷本晃久北海道大学大学院准教授(文学研究科日本史学)(当時)の協力を得た。