花のように鮮やかな朱色のカニ
甲は逆ハート型で、甲・脚に多数の棘があります。名前に「カニ」とありますが、ヤドカリの仲間に分類されます。熱を加えると鮮やかな朱色に変わることから「花咲ガニ」の名前がついたといわれています。
えりも岬から納沙布岬にかけての太平洋と根室半島北側のオホーツク海に分布し、沿岸近くの浅みに生息します。集団を形成する性質をもち、生息場所にあるものであれば動物、植物にかかわらず何でも餌とします。
産卵は6~7月に沿岸域で行われます。産卵は雌雄が1対1のつがいになり、雌は脱皮するとすぐに卵を産み出し、雄はそれに向けてすぐさま放精します。産卵された卵は雌の腹肢に付着し、孵化まで保護されます。産卵から翌年の4月頃に、抱卵した雌が岸に寄って幼生が孵化します。
一般的な食べ方は「煮ガニ」ですが、ぶつ切りにしたものをみそ味仕立ての汁にした「鉄砲汁」も美味です。
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