食用の肉のほか甲殻にも利用価値
ズワイガニよりも、鰓(さい)域(甲の中央部の心臓が位置する部分)が膨張しており、鰓域の側縁には顆粒が並び、その列の後端には1本の棘があります。
北海道では日本海側に分布し、水深500~1700mに多く生息しています。産卵期は12~翌3月で、最終の脱皮後に卵巣が成熟し始め、約2年間にわたって成熟を続け産卵します。産出された卵は腹部に2年間抱かれた後、2~3月に孵化し、次の産卵はその後すぐに行われるとみられています。
ベニズワイガニはむき身で出荷されることが多く、その過程で大量の殻が廃棄物となりますが、この殻にはキチン質という硬い体表を作るのに必要な物質が多く含まれているため、化学的な処理を行うことでキチンやキトサンを製造することができます。これらは水質浄化剤、食品・化粧品素材、医薬品、医療素材などに広く利用されます。
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